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惡の華(The Flowers of Evil) 5巻 raw・ネタバレ

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仲村佐和の支配から逃れ、春日高男は町を出る。移り住んだ大胡町で、彼は息を潜めるように日常をやり過ごすが、過去の呪縛は執拗に彼を追い詰める。自分の中に巣食う「虫」の正体を見つめ直すため、高男は再び筆を執り、魂の叫びを言葉に変換し始める。これは、歪んだ思春期の果てに自分が何者であるかを突きつけられる、血の通った再生と絶望の記録だ。逃げ場など最初から存在しなかったことに、彼はようやく気づかされる。

⚠️ ネタバレを含みます。

仲村との共犯関係が崩壊し、全てを露呈した高男は、両親とともに静かな大胡町へと夜逃げする。しかし、平凡な学生生活を装う高男の心には、仲村に刻み込まれた暴力的な記憶と、佐伯奈々子を裏切った罪悪感が深く根を張っている。彼は自身の内側にある「変態的な衝動」を制御できず、夜な夜なノートに詩を書き殴ることで、かろうじて自我を保っていた。そんな中、クラスメイトの常磐文と出会い、高男は自分と同じ「空虚な目をした者」の存在を感じ取る。しかし、過去を断ち切ったはずの彼の元へ、かつて置いてきたはずの仲村の残滓、そして自身の逃げられない本性が、徐々に忍び寄る。他者との交流を通じて、高男は自分が抱える「惡」が、特定の誰かではなく、自分自身という器そのものに由来していることを突きつけられる。それは、ただの反抗期などという言葉では片付けられない、根源的な自意識の変容だった。高男は、再び自分をさらけ出す場所を求めて、引き金を引くような選択を迫られることになる。

仲村さんとの地獄のような共犯関係から逃れ、過去を捨てたはずの高男。でも、大胡町で平凡を装う彼の空虚な瞳は、かつての痛みを隠しきれてないのがもう……尊いというか胸が締め付けられる。常磐さんとの出会いは救いになりそうで、でも本質的な『悪』は内側にあるという残酷な現実。ノートに詩を書き殴る姿には、狂気と再生の狭間で揺れる彼の魂が宿っていて、読みながら魂が持ってかれました。過去の呪縛が再び忍び寄る展開に再読確定。彼が辿り着く結末、見届けるしかないです。

著者押見修造
出版社講談社
5巻5巻

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