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惡の華(The Flowers of Evil) 7巻 raw・ネタバレ

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春日高男の心は、仲村佐和という絶対的な呪縛によって完全に破壊された。かつて憧れた佐伯奈々子という清廉な偶像は過去の残骸となり、いまや彼の日常は、彼女との狂気的な共犯関係という泥濘に沈んでいる。山奥の閉鎖的な町を舞台に、思春期の繊細な自意識が剥き出しの暴力へと変貌する。彼らが追い求めた「惡」の果てには、逃げ場のない破滅と、それでもなお消えない魂の叫びが刻まれている。自己の確立という甘美な罠が、少年の歪んだ青春を容赦なく踏み潰していく。

⚠️ ネタバレを含みます。

仲村佐和が主導する狂乱は、ついに山奥での「変態的儀式」という名の絶望的な逃避行へと昇華した。春日は、佐伯奈々子を裏切り、彼女の尊厳を地に落とすことで、仲村との間にしか成立しない歪な絆を深めていく。この7巻で最も残酷なのは、春日が佐伯に対して抱く罪悪感すらも、仲村にとっては支配のための栄養源に過ぎないという事実だ。二人は町の外へ出ることを渇望するが、彼らを縛り付けているのは物理的な距離ではなく、互いの存在を唯一無二の鏡として投影し合う内面的な地獄である。仲村が春日の頬を叩き、罵倒し、そして抱きしめるたび、春日の自我は摩耗し、やがて空っぽの器となっていく。町の人々の冷ややかな視線と、理解不能な存在として排除される恐怖の中、彼らは「自分たちだけがこの世界の不条理を理解している」という錯覚を強化していく。それは青春の輝きではなく、濁流に飲まれる直前の、引き攣った微笑みそのものだ。春日は、もうかつての善良な自分には二度と戻れないことを、この狂気の淵で悟るのである。

7巻、マジで息が詰まるほど尊い。仲村さんの歪んだ支配と春日の自我が崩壊していく過程、見ていて辛いけど目が離せない。佐伯さんの尊厳を汚すことでしか繋がれない二人の共犯関係、これが青春とか狂気すぎて心臓持ってかれた。特に仲村さんが春日を罵倒して抱きしめるシーン、あのどうしようもない閉塞感と依存の形が最高に業が深い……。二人が追い求める「惡」の果てに何があるのか、この地獄から目が離せません。一生引きずるレベルの衝撃、再読確定です。

著者押見修造
出版社講談社
発売日2012-12-07
7巻7巻

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